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藤江幸宏写真事務所 


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 YUKIHIRO FUJIE PROFILE


藤江 幸宏  プロフィール
Secret
Profile


以下に記載のプロフィールは、極めて私的な、私小説まがい(?)のプロフィールです。
時間を持て余してる方、カメラマン又は藤江幸宏個人に興味のある方以外には、全く退屈する内容です!

お仕事用のプロフィールが必要の方は別欄の《  》のプロフィールをご覧下さい。
裏プロフィールは続き物です。その1から順にお読みください。



その8 回り始めた歯車



24歳、秋

僕は、運良く、再び写真業界で働き始めた。


エージェントでの仕事は、僕にとって、とても新鮮で刺激的だった。

第一線で活躍するプロカメラマンが撮影したオリジナルのポジフィルムを、
毎日毎日暗記する程、直に見る事が出来るのだ。

どのような写真が、どういう媒体に、どういう使われ方をするのか、
どんなスポンサーがどんな写真を探しているのか・・・


今年の売れ筋の写真は?・・・来年流行りそうな写真は?・・・

この写真は何度も何度も繰り返し売れるのに、この写真は一度も売れない
その間に在る違いは一体何なのか?

まさに業界の人間にしか分からない裏情報を、毎日見聞きする事ができた。


それまで聞いた事も無い専門用語や、地名。
メカやテクニックの秘密の情報等、絶えず刺激が突き刺さって来る。

そのうえ・・・
カメラマン・デザイナー・広告代理店・印刷関係・出版関係
プロラボ社員(現像所)・カメラメーカー・フィルムメーカー・大手カメラ量販店店員
カレンダーやポスター等様々な写真を使った製品を作る製作会社等・・・
普通ではなかなか知り合えないような方々との繋がりが
確実に広がっていった。



更に僕にとってラッキーだったのは・・・
このエージェントで働く先輩T氏が、僕と同じ学校の写真工芸科の出身であった事だ。
僕達は共通の話題で盛り上がり、よく食事に連れて行ってもらった。
T氏はエージェントでの仕事を僕に教えると同時に、
ある日・・・

もう一つ大きなチャンスをくれた


「友人のカメラマンが、婚礼スナップを撮れるカメラマンを探してるんだが・・・
藤江君、やってみる気はあるかい?」

「はいっ、もちろんです」

僕は二つ返事で了承した。

・・・と言っても、自信が有った訳ではない。

高校を出て直ぐ勤めだしたスタジオで、何度も結婚式の撮影には行っていた。
だがそれはスタジオ内での型撮りがほとんどで、スナップ写真はほんの数回だけ
しかもサブカメラマンとして先輩と一緒に撮影をしただけだった。
知人の結婚式の撮影は何度もしていたが、知人の式と、仕事での撮影は全く別物である。
不安はかなり有ったが・・・

せっかくのチャンスを逃す気にはなれなかった。




1週間ほどして、担当者との顔合わせをする事になり
僕はかなり緊張しながら、待ち合わせ場所に行ってみた。

先輩T氏からの話しでは、担当者U氏もまた同じ高校の写真科の先輩で
夕食を食べながら、細かい仕事内容の打ち合せをするということだった

しかし、待ち合わせ場所は・・・
今は無くなってしまった大阪球場の直ぐ横に有るマクドナルド。

仕事の打ち合せを兼ねた夕食会がマクドナルドとは
写真業界というのは、見た目の華やかさとは違い、内情は随分厳しいんだな・・・
と、僕はその時心の中で思っていた。


予定より少し早めに着いたが、既に担当者U氏はもうそこにいた。
しかも・・・

既に食べている!

おまけに両手には、二つチーズバーガーをしっかり握り締めていた。

「おっ、悪いね直ぐに食べるから・・・」

ビッグサイズのドリンクを飲みながらU氏がそう言った。

「僕も何か買って来ますから、ゆっくり食べてて下さい」・・・そう言おうとしたが

あっ!という間に一気にそれらを飲み込むと、U氏が言った

「おまたせ・・・じゃあ、何食べに行きましょうか?」

????・・・



焼肉屋の鉄板をつつきながら、U氏は、僕の写真の経歴や持っている機材の種類等を聞き、
仕事の内容、支払い条件などを説明してくれた。


だが肝心の仕事の中身より、僕が一番強烈な印象を受けたのは
U氏のその豪快な飲みっぷり&食べっぷりであった。

席に着くと同時に「ジンジャエール・・・大ジョッキで2杯」
もちろん僕の分ではない。一人で2杯飲むらしい。
(更におかわりしていた・・・)
僕はそれまで、ジュースを大ジョッキで飲む人を、
しかも一気に2杯づつ注文するような人を見た事が無かった。

そして
焼肉は、鉄板に置くと同時に摘み出す
まだ、真っ赤・・・ほとんど生だ!

僕はこの時知った、
フリーのカメラマンとして、この世界で生き残って行く為に必要な条件は

早食い!であることを




U氏につられて食いまくった焼肉は
「もう食えね〜」の言葉も出ないほど食べに食べた。

目の前でもの凄いスピードで肉が消えて行くので、ついつい僕もつられて食べてしまう
そんな苦しそうな僕を見て、U氏が言った

「それじゃあ・・・うどん、そば・・・それとも、たこやき!・・・どれがいい?」

そう言われても、僕にはその意味が分からなかった。

・・・・・・・


ひんやリした風を受けながら、
立ち食いうどんの店の前で、僕はU氏が食べ終わるのじっと待っていた。
(と言っても、あっと言う間のことだが)

どうやらU氏にとって、ポテトのLとチーズバーガー二つは時間潰しの前菜
焼肉がメイン
うどんがデザートらしい

僕はカメラマンとして生きていく為に必要な条件に、もう一つ・・・

大食い

・・・という言葉を付け足した。

これは冗談ではない。

「お腹が空いたから」とか、「食事時だから」とか
そんな理由は全く関係無い
カメラマンは食事やトイレに行きたいから行くのではなく
行ける時に行く!

一度そのチャンスを逃すと
次はもういつ食べれるか、いつトイレに行けるかも分からない。

・・・その隙間を見つけ、一瞬で行動出来ない奴は、
ただ、ひたすら・・・我慢!なのだそうだ。

だから食べれる時に素早く大量に食べて体内に蓄える・・・らしい(苦笑)。


とにかく

こうして僕は、
平日はエージェントで働き、業界の仕事を生で経験しながら、
沢山のフリーカメラマンやデザイナーの方達と出会い
週末は某一流ホテルで結婚式の撮影をこなし

そして・・・

《お金が貯まると北米に取材に出かけて行く》

という、理想的な環境を得る事が出来た。


それまでは、写真を撮影する事だけに夢中になっていた。
写真を仕上げる所までが、自分の仕事だと思っていた

・・・だが

自分が撮った写真が、その後様々な広告物に使われる為の
難しさ、楽しさ、そして喜びを徐々に知っていった。


そして
1年・・・
2年・・・
3年・・・

月日はあっという間に過ぎて行き

僕が北米で撮影してきた写真も、
エージェントを通して少しづつ確実に売れ行きが伸びて行き、
知り合った方々と写真展を開催するようにもなっていた。
 

1990年  中日写真文化交流展・出展(台北)

1991年  パーソナリティー写真展・出展(大阪)

1992年  TIAS(東京インターナショナルアートショー・出展(東京晴海)



 そして・・・


1993年6月
お世話になったエージェントを退社、

僕は完全にフリーのカメラマンとして独立した。



ここでようやく
フリーのフの字は・・・フリーカメラマンのフの字になったのだ。





********************


ふ〜っ、ようやくカメラマンとして独立しました〜
あ〜めでたしめでたし・・・

と進めば面白くない?

独立したは良いがタイミングは最悪?

一体何が?・・・続きは

その9 石の上にも三年 へ、お進み下さい。

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