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ラスティー日記 18

○月×日
「きゃっ…びっ、びっくりするじゃないの…」
狭いトレーラーの中にキャンキャンの声が響き渡った。
「突然そんな目の前にアップで現れたらびっくりするでしょ……もう!」
キャンキャンが目をパチクリさせながら叫んでいる
ふんっ!
何言ってんだ、僕に言わせりゃその大声の方がよっぽどびっくりするよ…
何だか今日は全然眠くないんだ
なぜって?
そんなこと知るもんか、目がパッチリしててアクビも出やしない
僕は退屈だからキャンキャンの所へ行って遊んでもらおうとしたのに
「きゃ〜〜」何て言われちゃうし…
悔しいからキャンキャンの家計簿付けの邪魔をしてやったんだ。
鉛筆を転がしたり、消しゴムを齧ったり
…そしたら、いきなりひょいって持ち上げられて
気が付いたらもうベッドの中さ
僕はまだ全然眠くないのに
「さあさあ、もう遅いからラスティーは寝る時間よ…ねっ……」
キャンキャンはそう言って僕の頭を2度撫でてくれた

ベッドに入った僕は、頭の中で
「ネズミが一匹、ネズミが二匹……」
なんて数えてみたけど、ダメさ、全然ダメ!
益々目が冴えて来て……ほんとにもう、困っちゃった。
僕はもう一度こっそりとベッドを抜け出し、テーブルの下に潜り込んだ。
だって仕方ないさ眠くないんだもん
「さあ〜〜て、何して遊ぼうか?…」

考え始めた途端に、目の前にまたキャンキャンの顔が現れた。
「ラスティー、いつまで起きてるの、もうみんな寝ちゃうのよ、
真っ暗になるのよ、怖いよ〜…狼が来てガブッて食べちゃうよ…」
…なんて僕のこと脅かすんだ。
いつもは『また寝てるの?寝てばっかりね…』何て言うくせにさ、
いつもと言う事が違うじゃないか、
僕が起きてるんだから、遊んでくれよ〜〜
ボサボサもキャンキャンも、僕を無視してとっとと寝袋の中に入っちゃた。
なんだよ、なんだよ…もういいよ誰も遊んでくれないんなら僕にだって考えが有るぞ!
後になって驚いたって知らないんだからな……
僕はやけになってテーブルの下から歩き出した

「ぐれてやる、すねてやる、死んでやる!」
ブツブツ、ブツブツ言いながら歩いていると、
僕はいつの間にかポットの下にいた
「よっし、ここで熱湯をかぶって死んでやるんだ、
後になって『あの時遊んでやれば良かった…』何て言ったって、もう遅いんだからな」
僕はもう一度ポットを見上げた後、
小さく丸くなって身構えた。
ちょっぴり怖くて、目をつぶって、下を向いて、手にギュッて力を入れて…
…やっと気が付いた!
「誰かが押さなきゃ、お湯が出ないんだ!」
僕は仕方なくまた歩き始めた
もうキャンキャンもボサボサも寝てしまって、トレーラーの中はシーンとしていた。

ふーっ……どうしようか?
一人じゃやっぱりつまんないしな
もう一度僕はキャンキャンの寝袋の上に勢いよく飛び乗り、
おなかと顔の間を行ったり来たりしながら飛び跳ねてやったんだ。
これだけやれば目が覚めると思ったしさ、
目が覚めたら当然僕と遊んでくれるに違いない…ってもんさ。
でも、でも僕の考えは甘かった
キャンキャンの奴いったい何て言ったと思う
「ムニャ…ムニャムニャムニャ……」ってそれだけさ
まったくこんな寝起きの悪い主人に飼われるなんて、
あぁ〜僕は何て不幸な猫なんだろう…

ブツブツ言いながら、僕は仕方なく自分のベッドに入ったんだ。
そして眠ってる二人に向かって思いっきりアッカンベーをしてから、
大きな大きな声で「ミャ〜〜ォ」って怒鳴ったんだ。