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ラスティー日記 13

○月×日
今日も朝から凄い雨……
キャンキャンと僕は、一日中トレーラーの中で留守番することになった。
バタバタ、バタバタといつまでも屋根を叩く雨、
どんよりと低く垂れ込める雲、
薄暗い窓の外をぼんやり眺めていた僕は、急にゾクッと寒気がしたような気がした。
「何だろう…嫌な予感が…」
僕はそーっと後ろを振り向いた。
ニャッ……フフフッ…
そこには薄っすらと笑いを浮かべたキャンキャンが、ジーッと僕を見ていた。
「逃げなきゃ…」
僕は反射的にそう思った
あの顔は何か企んでるに違いない…早く逃げなきゃ
…でも、次の瞬間
僕はもうキャンキャンの腕の中に捕まっていた。
キャンキャンは僕を自分の目の高さまで持ち上げると、
頭のてっぺんから足の先までマジマジと見つめては胸元に降ろし、
また持ち上げるといったことを3度繰り返してから、ポンッと手を叩いてこう言ったんだ。
「よーっし、今日はラスティーの身体測定の日に決めた!」
キャンキャンはそれだけ言うと、流しの下に頭を突っ込み、ガタゴトと何かを探し始めたんだ。
ふーっ…やっぱり僕の嫌な予感は当たってた
そうは思ってみたところで、狭いトレーラーの中では逃げるのに良い場所も見当たらず、
僕はまな板の上の鯉のように、おとなしく量りの上の猫になった。
それなのにキャンキャンの奴、こんなことを言うんだ…
「まぁーびっくり…いつの間にこんなに体重が増えちゃったの」
何言ってんだよ!
沢山食べて大きくなれって言ったのは自分じゃないか!
だいたい自分だって重たいくせに、何言ってんだ!
その上こんなことまで言われたんだ…
「やっぱりねー…どうりで下腹の辺りがプヨプヨしてると思ったのよ
もしかしてラスティーはこのままブタ猫になちゃうのかしらねー……」
ムッカー……
あったまに来た!
もう許してなんかやらないぞ…ぐれてやる!
僕は知ってるんだ、下腹がポヨポヨして来たのはボサボサだって一緒なんだからな!

僕は量りの上から飛び降り、
流しの下の開けたままになっている引出しの下に潜り込んだ。
「へへへ……ここなら大丈夫だ。見つかりっこないさ」
僕は自信満々だった。
キャンキャンが引き出しの前までやって来たが、
僕は絶対見つからないってもう一度心の中で呟いたんだ。
そしたら…
「あら〜ラスティー、もう引き出しの下からはみ出してるわよ」
…何て言うんだよ。
ショックだった……そりゃショックだったさ。
急いで引出しの下から外に飛び出すと、キャンキャンの手にメジャーが見えた。
「誰が測らしてなんてやるもんか!」
僕はメジャーに噛みついた。
必死になって抵抗したんだ
…だって、測った後に、また何か言われるに決まってる。
絶対に測らしてなんかやるもんか!
僕は逃げて、逃げて……逃げ疲れて、いつの間にかまた眠っていた。

キュルキュルキュル……耳元でメジャーの巻き戻される音がした。
「しっ、しまった…」
僕がハッとして上を見上げると、そこには、ニャッと笑ったキャンキャンがいた。
「体重はあんなに増えてたのに、身長はちょっとしか変わってないのね
やっぱりこのままブタ猫になっちゃうのかしらねー」
僕はまたムッとして、大きく体を伸ばして見せた
「どうだー、本当はこんなに大きいんだぞ!
こんなに伸びるんだぞ、今にキャンキャンよりも大きくなるんだからな
本当なんだからな…大きいんだからな、僕は…」
僕は何度も何度もそう言ってキャンキャンを睨みつけ、
目一杯大きく伸びをしながら「ミャ〜〜」って鳴いたんだ。